持ち前の負けん気が、どんな重圧も、度重なる激戦での疲れをも消し去ってしまう。8月6日、京セラドーム大阪でのオリックス・バファローズ戦。千葉ロッテマリーンズの益田直也投手は2点リードで迎えた9回から登板をすると最後をキッチリと締めた。リリーフのスペシャリストは心と体を研ぎ澄まし、出番を待っていた。だからこそ、いつ何時に訪れるか分からないスクランブル登板にも動じない。魂のボールは、気持ちで打者を上回る。それがこの男の真骨頂。勝利が決まるとグラブをポンと叩いて喜んだ。この試合で、史上4人目となるプロ1年目から5年連続となる50試合を達成。タフネス右腕は充実した表情を見せた。
「登板数はボクにとって誇れること。5年目も50試合を投げることができてよかったです。なによりもチームが勝つことができて良かったです」
絶対的守護神の西野勇士投手が7月末に右肘痛を訴え、戦線離脱。そんなチームの緊急事態を救ったのが13年にはセーブ王にも輝いた実績を持つ益田だった。今季にかける強い決意でシーズンに臨んでいた。自主トレから徹底的に走り込んだ。「早く野球がしたいと思うほど、野球以外のトレーニングばっかりして体を作った」と振り返るように、体をいじめ抜いて石垣島春季キャンプに合流した。その表情は鬼気迫るも...