今季は「投」「守」が劇的に改善し、自慢の「打」がさらに破壊力を増したことで、念願のAクラスに返り咲いた埼玉西武。ただ、先発陣・救援陣のいずれにおいても絶対的な存在がおらず、ぽっかりと空いたポジションが依然として残されているのも事実である。来季は、その空席を埋めるに相応しい投手として、2人の「高橋」投手に期待を寄せたい。
まず1人目の「高橋」投手は、来季4年目を迎える若獅子・高橋光成投手。今季の埼玉西武先発陣は、最多勝と最優秀防御率の二冠に輝いたエース・菊池雄星投手がけん引していた。しかし菊池投手に次ぐ11勝を挙げた右腕・野上亮磨投手が、今オフFAで巨人に移籍したため、絶対的な「右投手」が不在になる。高橋光投手には、その空席を埋めるだけの活躍を期待しないわけにはいかない。
高橋光投手の持ち味は、約190センチの長身から投げ下ろす最速154キロの速球と、落差の大きいフォークだ。プロ1年目の2015年には、両リーグ通じて史上最年少となる18歳6カ月で月間MVPを獲得し、西口文也氏の引退試合ではその青いグラブを継承するなど、かねてよりエースとして将来を嘱望されていた存...