「オリエンタル・エクスプレスの再来」と謳われて3年。埼玉西武の郭俊麟投手が、2つの変化を迎えている。同姓の名投手にあやかった背番号・登録名と決別する選択からは、現状を打破しようという明確な決意が見て取れるだろう。
郭投手は、国立台湾体育運動大学時代に台湾代表として活躍。国際大会における実績と若さに期待をかけられ、2014年に埼玉西武に入団した。「西武の郭」といえば、来日1年目からノーヒットノーランを達成し、2度のリーグ最高勝率に加えてシーズンMVPの受賞経験を持つ「オリエンタル・エクスプレス」こと郭泰源氏を想起するだろう。その泰源氏から指導を受けたという郭投手も、入団会見では目標とする投手として泰源氏の名前を挙げ、「彼のマウンドでの投げっぷりを真似して、立派な選手になりたいです」と抱負を語っていた。
郭投手には泰源氏の入団時と同じ背番号「12」が与えられ、150キロを超える快速球と台湾代表における実績から、かつての名投手の再来として期待が寄せられた。しかし、1年目となる2015年から多くのチャンスを与えられながら、17度の先発を含む21試合に登板して3勝7敗、防御率5.31。79回2/3で10本塁打を浴びるなど持ち前の球威が通用せず、苦しいシーズンを送るこ...