緊迫した場面でクライマックスシリーズ初登板を果たした際の驚きは、投球を終えたときには納得に変わっていた。楽天の育成選手としてプロ生活をスタートさせた宋投手は、今季後半に支配下登録されると、ポストシーズンで圧巻の投球。中継ぎとして、プロ初勝利よりも先にポストシーズン2勝をマークした。台湾出身、25歳の宋投手にとって、この経験と自信は何物にも代え難い大きな財産となったはずだ。
台湾の国立体育大学出身の宋投手は、2015年、台湾プロ野球のドラフトで統一ライオンズから2位指名を受けたものの、日本球界に挑戦するためにこれを拒否。同年10月に楽天と育成契約を結び、日本でプロ野球選手としてのキャリアをスタートさせた。
初年度の2016年は、ファームで15試合に登板してチームトップタイの6勝、防御率2.44という好成績を残す。登録名をカタカナ表記の「ソン・チャーホウ」から本名の「宋家豪」へと変更して臨んだ今季は、ファームで33試合に登板して防御率は4.28だったが、昨季に続いてチームトップタイの8勝に加えて5セーブを挙げた。7月31日には支配下選手登録を勝ち取り、8月11日のオリックス戦で一軍デビ...