育成から支配下登録され、プロ初登板、初先発で初勝利を挙げたオリックスの佐藤一磨投手が、8日の日本ハム戦(京セラドーム)でデビューする宮國凌空投手に、試合に臨む気持ちなどをアドバイスした。
「練習中に、『明日は、宮國が主役なんだから』と伝えました。1試合目なんで、いい意味でも悪い意味でも、勘違いしていいと思います」。7日午前、大阪・舞洲の球団施設で投手の指名練習を終えた佐藤一が、グラウンドでの2人だけの会話を明かしてくれた。
宮國は沖縄県宜野湾市出身。東邦高(愛知)では3年春の甲子園で2試合に先発し、2023年育成ドラフト3位で入団した。2年目に中継ぎも経験しながら1年間ローテーションを守り、18試合で6勝3敗、防御率.2.33と安定。今季も7試合に登板し、4勝1敗、防御率2.63で、5月5日に球団から支配下選手登録をすることが発表され、8日の日本ハム戦(京セラドーム)での初登板、初先発が決まった。
一方の佐藤一は、横浜隼人高から2019年育成ドラフト1位で入団。23年には8勝を挙げ、ウエスタン・リーグの最多勝に輝いた。5年目の24年6月に支配下登録を果たし、直後の交流戦の巨人戦(東京ドーム)で初登板、初先発し、5回を無失点で菅野智之(現ロッキーズ)との投げ合いを制し、初勝利を挙げた。
佐藤一にとっても、支配下は格別なものだったという。「なかなか、支配下になれないじゃないですか。僕が人生で誇れるのは、5年間かけて支配下になれたということなんです」。それだけに、初登板は特別なもの。そんな募る思いを厚澤和幸投手コーチが受け止めてくれた。「東京でチームに合流したとき、アツさん(厚澤コーチ)から『今日は、お前のご褒美の試合だからな。5年間、頑張ったご褒美だから、思う通りになにも気にせず、この雰囲気を楽しめ』と言っていただいたんです。本当にその通りだと思います。だから、宮國にも『お前が主役』だと伝えたんです」
佐藤一は今、2軍で球速を求めて先発調整を続けている。立場は違うが、同じように育成から支配下に這い上がった後輩が、1軍のマウンドで輝くことを願っている。
取材・文=北野正樹