
西武のタイラー・ネビン内野手(29)が30日までにスポーツ報知のインタビューに応じ、前半戦を終えた手応えを明かした。来日2年目の今季は左脇腹の違和感で出遅れ、5月1日に1軍に合流。以降は4番を担い、打率2割7分1厘、15本塁打、35打点。現在2位につけるチームを引っ張っている助っ人が19年以来の頂点奪還への強い決意を語った。(取材・構成=大中 彩未)
来日2年目のネビンが、チームの躍進を支えている。今季は左脇腹の故障から5月に1軍合流となったが、主砲の復帰とともにチームは上昇曲線を描き、一時は首位奪取。前半戦を首位ソフトバンクに5・5ゲーム差の2位で終える大きな原動力となったが、決して現状に満足はしていない。
「個人的にはけがをして思ったよりも復帰に時間もかかったので、もっとこれからできることをしっかりとしていきたい」
来日1年目は一塁手としてゴールデン・グラブ賞も受賞した。なぜプロ野球選手を目指し、日本球界でプレーするに至ったのか。そこには、元メジャーリーガーであり、大谷翔平(現ドジャース)在籍時の23年にはエンゼルスを監督として率いた(22年は監督代行)、父のフィル・ネビン氏が大きく影響している。
「球場にもよく行ってました。庭でお父さんとウィッフルボールやウィッフルバットっていう(プラスチックでできた)遊び用の道具を使って野球をやったり。お母さんからは『あなたは“オレにボールを投げて”って父親にひたすらに言ってた』と冗談で言われたりするので、それぐらい(野球が)好きだったのかな。お父さんが毎日仕事として野球をしに行ってるのはわかってたし、自分もこうなりたいって気持ちがあって」
昨季途中に、27年シーズンまで契約延長したのは異例とも言える。先の保証がないプロ野球選手にとって、居場所が確約されている安心感は、プレーへの集中力を高める一因になる。異国で戦う上で、山村、石井ら英語で何げない会話を楽しめるチームメートの存在も大きい。
「率直にチームからの信頼を感じたのが非常に嬉しかったですし、満足もした。チームの雰囲気も非常に大事だし、あとは可能性のある若い選手がいっぱいいるっていうところも、しっかりと考えて。誰もが本当にいい人なんで、そういうところも考えてサインしました」
来日2年目。日本での生活にも徐々に慣れ、休日に愛妻や、1月に生まれたばかりの長男と過ごす時間がつかの間の息抜きだ。
「基本的には今年は家族も来ているので、休日は家族の日になる。一緒に食事したりとかがメインかな。日本に来てからはよく公園とかに行って歩くようになった」
チームは96試合を戦い53勝40敗3分け。昨年の5位からは見違えた。
「前半戦の戦いはいち選手として誇り。試合のヒーローになる選手も毎日変わりますし、そういう意味では特定の一人二人がいいんじゃなくて、全員が活躍してるっていうのはチームの状態の良さを表している。本当に期待の持てるチームです」
球宴出場を挟み、シーズンは残り47試合。
「ソフトバンクを追いかけてますし、1試合ずつ集中して勝ちにこだわりながらやっていければ」
最後に西武ファンに向け、「ン~~、アツイネ。デモ、アリガトウゴザイマス。For coming to the game.(暑い中球場に来てくれてありがとうございます)」と日本語を交えてメッセージを送った。19年以来の頂点だけを見据えて、一戦一戦を熱く戦い抜く。
◆タイラー・ネビン(Tyler Nevin)1997年5月29日、米カリフォルニア州生まれ。29歳。2015年にドラフト1巡目(全体38位)でロッキーズ入団。21年5月29日のWソックス戦でメジャーデビュー。25年シーズンから西武に入団し、来日1年目の昨季は一塁手としてゴールデン・グラブ賞も受賞。193センチ、102キロ。右投右打。