
◆パ・リーグ 楽天2―0西武(25日・楽天モバイル最強パーク宮城)
楽天・前田健太投手(38)が11年ぶりのNPB白星を挙げた。西武戦(楽天モバイル)に先発して7回3安打無失点、6奪三振と圧巻の内容。今季7登板目で待望のイーグルス1勝をつかみ、お立ち台で感極まった。今季最長イニングを投げて、同最多の114球の熱投。チームを今季初の同一カード3連勝へと導いた。楽天担当の宮内孝太記者が迫った百戦錬磨の右腕の「プロ論」とはー。
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シビアな世界を戦い抜いてきた前田健の確固たる信念だった。6月19日。吉井新監督が始動した全体ミーティングでのことだった。吉井監督が「プロらしくみんなやっていきましょう」と呼びかけ、「プロらしくとは何?」と問う。ナインは「自覚」、「全力プレー」、「諦めない」、「準備」とそれぞれのプロフェッショナル論を口にした。どれもが正解であり、グラウンドに立つ者が持つべき意識だ。その上で指揮官は「俺はこう思うと絶対言いたい人、誰かおらへん?」と、さらに踏み込んだ。「僕いいですか」。前田健が静寂を破った。
「みなさんが言ったことは正しい、絶対だと思うんですけど、プロなので勝つことがいちばん大切だと思う。一つの目標に皆で同じ方向を向いて戦うことが一番大事かなと」
誰も口にしていなかった「勝つ」という重い二文字。「前に話した方から『勝つ』という言葉が出てなかったので、ここは言っておこうと思ったので」。自ら手を挙げて、あえてチームメートがそろう前で言葉にした。
ミーティングでの発言の真意を後日聞くと、前田健は熱い口調で言った。「プロである以上、勝つためにやらないといけない。今シーズン勝てなかったから、監督が変わってしまったりとか、そこは選手の責任。あそこで出た言葉は、全部正解。準備することも一生懸命戦うこともそう。でもそれは全部勝つためにやると僕は思ってる。プロである以上、みんな勝つために頑張ってますし、勝てなければ生き残っていけない世界だと思う」。勝利こそが、全ての行動の先にあるべき帰結。日米で活躍してきたベテランのプロ論だった。
7回3安打無失点の好投で刻んだ魂の復活星。杜の都で自らの矜持を雄弁に示した。(宮内 孝太)