強気に攻め、打たせて取る。鷹4年目左腕の大崩れしないピッチング

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福岡ソフトバンクホークス・松本晴投手 【写真:球団提供】
福岡ソフトバンクホークス・松本晴投手 【写真:球団提供】

 2022年ドラフト5位で福岡ソフトバンクに入団した松本晴投手。昨季はブルペン陣が手薄になっていたチーム事情もあってリリーフとして開幕を迎えたが、12試合連続無失点と結果を残して5月から先発に転向。最終的に先発では15試合に登板し、5勝6敗、防御率3.41の成績を残した。今季は開幕2戦目となる3月28日に先発出場。6回2失点で勝ち投手となり、チームの連勝を助けた。今回は期待の4年目左腕の投球スタイルを、昨季の成績をベースに掘り下げていく。

ヒットを打たれても大崩れしないピッチング

松本晴投手 2025年先発時の投手成績©データスタジアム
松本晴投手 2025年先発時の投手成績©データスタジアム

 先発としての昨季の成績をリーグ平均と比べてみると、松本投手は被打率.286と、やや打ち込まれた印象を受ける。一方で与四球率は平均よりも優れているほか、奪三振率9.21はチームメートのモイネロ投手(9.27)に匹敵する高い水準となっている。ヒットによる走者を多く背負いながらも、三振などで安定してアウトを取ることができたため、1イニングあたりの投球数は平均程度に収まったと考えられる。

ストライクゾーンで強気に勝負し、打たせて取る

松本晴投手 2025年先発時の球種別投球割合・Sゾーン投球割合©データスタジアム
松本晴投手 2025年先発時の球種別投球割合・Sゾーン投球割合©データスタジアム

 先発・松本投手のデータで注目したいのが、ストライクゾーンへの投球割合の高さだ。基本となるストレートだけでなく、スライダーやカーブといった変化球もゾーン内に多く投じており、全体のストライクゾーン投球割合は51.3%と過半数を占める。参考までに、昨季NPBで規定投球回に達した23投手のうち、同割合が50%を超えた投手は横浜DeNA・東克樹投手と北海道日本ハム・伊藤大海投手の2人のみとなっている。この強気さは松本投手の特徴といえるだろう。

松本晴投手 2025年先発時の球種別ゴロ割合©データスタジアム
松本晴投手 2025年先発時の球種別ゴロ割合©データスタジアム

 しかし、単にストライクゾーンへ多投するだけでは打者に捉えられる危険性も高まってしまう。先述の通り、実際に被打率という形でデメリットも表れている。それでも抑えることができた要因としては、ゴロ打球の多さが挙げられる。ゾーン内の投球が多いスライダーやカーブも、リーグ平均を上回るゴロ割合をマークしており、打たせて取るピッチングにつながっているようだ。

追い込んだ後は三振狙いにスイッチ

松本晴投手 2025年先発時の球種別奪空振り率©データスタジアム
松本晴投手 2025年先発時の球種別奪空振り率©データスタジアム

 松本投手は「ゾーン内に投げ込み、打たせて取る」投手でありながら、三振も多く奪っている。一見矛盾しているようだが、この特殊なピッチングを成り立たせるカギが変化球にある。カウント別で各球種の奪空振り率を見ると、2ストライクの状況では3球種とも数字が跳ね上がり、リーグ平均との差が大きくなっている。つまり、打者に手を出させること自体は追い込む前後とも共通しているが、追い込んでからは空振りをさせるようなボールに切り替わっている。このコントロールが松本投手の強みだ。

 昨季は終盤に再びリリーフへ配置転換されたことから、契約更改後には「パーソル CS パや日本シリーズで先発する投手になりたい」と語っていた松本投手。今季のキャンプでは「先発ローテーションで最初から最後まで投げ抜くこと」を目標に掲げ、まずは開幕ローテ入りを実現させた。投手陣の軸としての期待に応え、有言実行のシーズンを送ることができるか。背番号49のピッチングに、ぜひ注目していきたい。

※文章、表中の数字はすべて2025年シーズン終了時点

文・データスタジアム

記事提供:パ・リーグ インサイト

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