福岡ソフトバンクは5月12日、尾形崇斗投手・井上朋也選手と横浜DeNA・山本祐大選手のトレード成立を発表した。横浜DeNAの正捕手がシーズン中に移籍するこの一報を、多くのプロ野球ファンが驚きをもって受け止めたことだろう。
入団1年目の初打席で初ホームラン

現在27歳の山本祐選手は京都翔英高校からBC・滋賀を経て、2017年ドラフト9位で横浜DeNAに入団。今シーズンで9年目を迎える。
1年目の2018年5月25日・東京ヤクルト戦でNPB初出場。ファンをあっと驚かせたのは同年8月19日・広島戦での初打席初ホームランだ。8回裏に代打で登場し、横浜スタジアムのレフトスタンドへうれしい第1号を放り込んだ。
2年目の2019年は5月6日・巨人戦に「8番・キャッチャー」で初めてのスタメン出場するなど13試合の出場だったが、劇的な一打が出た8月28日・東京ヤクルト戦は印象的な試合のひとつ。延長12回裏、ベンチ入り最後の野手となった山本祐選手が2死満塁の場面で自身初のサヨナラ打となる適時打を打ち、4時間58分にわたる戦いに決着をつけた。
飛躍のシーズンとなったのは、横浜DeNAのエース・東克樹投手の女房役を務めた2023年。東投手と山本祐選手のバッテリーは6月から9月末にかけて自身12連勝の活躍を見せるなど「2023プロ野球最優秀バッテリー賞」を受賞した。打っても打率.277、3本塁打、守備では盗塁阻止率.455を記録。
2024年には入団以来初めて開幕戦でスタメンマスクをかぶる。その後も正捕手として試合に出続けて、夏にはファン投票でオールスターゲームに初出場。9月に骨折・手術で無念の離脱となってしまい、クライマックスシリーズと日本シリーズへの試合出場は叶わなかったが、キャリア最多となる108試合に出場。打率.291(358打数104安打)、5本塁打、37打点とかつて課題だったバッティングを自身の強みに変えてみせ、ベストナインを初受賞。また、守備率.997、盗塁阻止率.352とディフェンス面でも健闘し、三井ゴールデン・グラブ賞を初めて受賞した。
新天地では再び競争へ 元チームメイトとは早速バッテリーも
移籍先となった福岡ソフトバンクだが、昨年の日本一に貢献した海野隆司選手がここまでチームを支えている。それぞれ経験を積んできた捕手同士、ハイレベルなレギュラー争いがリーグ3連覇を目指すチームの強化につながるはずだ。
また嶺井博希選手と4年ぶりに、上茶谷大河投手とは2年ぶりにチームメイトになった。山本祐選手の移籍後2試合目となる東北楽天戦で早速、上茶谷投手とのバッテリー再結成が実現。
トレード発表があった翌日には入団会見に移籍後初スタメン。新天地でいきなりタフなスタートとなったが、5月16日・東北楽天戦では移籍後初安打を含む4打数2安打を記録。5月末には交流戦が開幕し、慣れ親しんだ横浜スタジアムで古巣との対戦も控える。ドラフト9位から大成した山本祐選手が福岡ソフトバンクにどのような影響をもたらすか、今後のプレーに注目だ。
※文中の成績はNPB BISを参照
文・菊地綾子
