
◆日本生命セ・パ交流戦 2026 阪神2―5日本ハム(27日・甲子園)
予想外の新庄野球に聖地が騒然となった。2―1の5回2死一、三塁でカウント1―0。打者エドポロの空振りと共に一塁走者・水野が二盗を仕掛け、二塁付近で急停止した。送球間に三塁走者・加藤貴が本塁を狙う“偽装重盗”。捕手・坂本は、慌てて三塁に送球するも悪送球となり貴重な3点目を奪った。日本ハム・新庄剛志監督(54)は、「ピッチャーの時こそ間違いなく成功すると思ったから。(走力のない)レイエスとかもやりやすいよね。意表をつく」と説明。三塁走者は、リーグ戦で走者になることのない投手の加藤貴。意表をつく“新庄スペシャル”で虎党を沈黙させた。
全て手の内を明かすのも新庄流だ。試合後、捕手が二塁へ送球する間に三塁走者の生還を想定していたことを明かし、「うち(が守備)なら1000%セカンド(送球)ですけどね。新庄剛志甘かった」と、奇策が“結果オーライ”に終わったことを悔やんだ。それでも、「これ言ってしまったからもうバレてる(笑)。でもこれも作戦なので」と、相手を翻弄(ほんろう)し、さらに作戦をアップデートしていくつもりだ。
準備の結晶でもある。春季キャンプでは、サブグラウンドでの走塁練習で走者一、三塁でのスタートの切り方、止まるタイミングを全選手に徹底させた。加藤貴も「驚きはなかった」と、心の準備はできていた。
チームは阪神に連勝で借金を1に減らし、3位とのゲーム差を1に縮めた。「乗っていけそうですね。こういうふうにピッチャーとバッターがかみ合っていけば」と指揮官。今季は両リーグ最多の61本塁打の大技が中心だったが、この日は小技がさく裂した。就任5年で築き上げた“新庄スペシャル”を醸成させ、リーグ4位から巻き返していく。(川上 晴輝)