2017年に多数の故障者を出しながらも日本一に輝き、今季もリーグ優勝候補の最右翼とみられていた福岡ソフトバンク。しかし、春から故障者が続出してスタートダッシュに失敗し、予想外の苦戦を強いられる。それでも結果的には、リーグ2位から2年連続日本一の頂まで駆け上がった。
故障者続出で態勢が整わず、序盤は首位争いに絡めないまま
今季はシーズン序盤から波乱だった。まずベテランの和田投手が、春季キャンプの段階で左肩を痛めて一軍登板なし。育成出身初の開幕投手を務めた千賀投手は前半戦だけで4度も抹消され、昨季最多勝のタイトルを獲得した東浜投手も5月下旬から2カ月以上も戦線を離脱した。さらに前年のリリーフエースだった岩嵜投手と守護神・サファテ投手が4月にそろって故障し、ブルペンは再構築を余儀なくされている。
チームリーダーの内川選手と正遊撃手の今宮選手、主砲のデスパイネ選手も故障で戦列を離れてしまい、なかなか戦力がそろわないまま、首位・埼玉西武に6.5ゲーム差の3位で前半戦終了。得意の交流戦では開幕6連勝と好スタートを切ったが、4位転落も経験し、Aクラス争いからなかなか抜け出せない状況が続いた。
故障者に加えて、既存戦力の不振も痛手だった。昨季、来日1年目から中継ぎ左腕として活躍したモイネロ投手、ベテランの五十嵐投手は故障もあって本来の力を発揮できず、武田投手、バンデンハーク投手、中田投手も安定感を欠いた。前半戦は貯金が2つしか作れず、リーグ2連覇は厳しい状況に。しかし、ここからチームは驚異的な追い上げを見せる。
新戦力が台頭し、2年連続日本シリーズ制覇
先発投手陣は、7月中旬に緊急補強したミランダ投手と、同月下旬に育成ルーキーから支配下登録を勝ち取った大竹投手の活躍が追い風となり、東浜投手の復帰で安定感...
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