前半と後半でまるで別のチームに…データで今季を振り返る【北海道日本ハム編】

2018年11月25日 15:03 Full-Count
北海道日本ハムの得点と失点の移動平均グラフ※写真提供:Full-Count

前半戦は投手陣が機能 打線も先制点取り優位に試合進める

 投打で大きく貢献していた大谷翔平が抜けるも、7月末までは埼玉西武に肉薄、優勝も狙えるかに思えた今季の北海道日本ハムファイターズ。しかし、8月から投打が噛み合わずに、白星を稼ぐことができない状況に。それでもAクラスをキープし、2年ぶりのクライマックス進出を決めました。 ファイターズのペナントレースにおける得点と失点の移動平均を使って、チームがどの時期にどのような波に乗れたかを検証してみます。移動平均とは大きく変動する時系列データの大まかな傾向を読み取るための統計指標です。 グラフでは9試合ごとの得点と失点の移動平均の推移を折れ線で示し、得点>失点の期間はレッドゾーン失点>得点の期間はブルーゾーン として表しています。 序盤は得点力はそれほどではなくても、投手陣が機能し、平均3~4点の失点で抑えて勝ちを拾っている様子が伺えます。交流戦に入り、1番西川遥輝、2番大田泰示、3番近藤健介、4番中田翔、5番レアードorアルシアという上位打線が機能し、試合序盤で先制点を取って優位に試合を進められるようになりました。6月のチームOPSは.800、1試合平均得点も5.27にまで上昇。6月22試合のうち12試合、54.5%の確率で初回に得点しています。2試合に1試合は優位な展開に持ち込めたのです。なお、シーズンを通じての初回得点確率は38.6%で、これは12球団トップです。

後半戦に入って先発投手に異変、QS率が急落

 7月前半も順調に星を重ね、ついには首位の埼玉西武まで0.5ゲーム差にまで詰め寄りました。しかし、その辺りから優勝を意識しだしたのか、先発投手陣に異変が起きます。 後半戦の初戦、6月の一時期救援に回っていた有原航平が先発として完投勝利を収め、幸先のいいリスタートを切ったのですが、ここまでのファイターズ先発投手陣は5完投を含め、平均投球回数が6.0回、先発投手が6イニング以上を投げ、3自責点以内に抑えるクォリティスタート率(QS率)55%と先発投手の貢献が目立っていました。 ところが翌日から状況が一変。7試合連続でQSを達成できないという事態に陥り、その後も有原以外の投手でQSが達成できない状況が続きます。それでも打線の援護と救援投手陣の踏ん張りで勝率をキープしながら埼玉西武を追撃しようとしますが、そのツケが8月後半に来ます。8月16日からまた7試合連続でQS未達成。8月17日からの埼玉西武3連戦で1勝2敗、続く福岡ソフトバンクとの3連戦で3連敗を喫し、3か月守ってきた2位の座を福岡ソフトバンクに明け渡してしまいます。 8月後半、下位3球団に対して8試合6QS、6勝1敗1分と奮起しますが、埼玉西武、福岡ソフトバンクの驚異的なラストスパートに振り切られ、3位でペナントレースを終えることになりました。なおオールスター戦以降のQS率は42.1%で、リーグ最下位でした。 先発投手陣では、上沢直之とマルティネスが17QSとリーグトップの成績を収め、1年間しっかり先発ローテーションを守る貢献を見せました。また捕手ではFAで中日に移籍した大野奨太の代わりに22歳の清水優心が83試合出場、2塁手には23歳の渡邉諒がチーム内最多の57試合に出場。そして、ドラフト1位ルーキーの清宮幸太郎もDHや一塁手として53試合に出場するなど、積極的に若手を起用するファイターズスタイルは今年も健在でした。 ちなみに、5月2日に1軍デビューを果たし、デビューから7連続試合安打の日本記録や、早稲田実業の大先輩、王貞治に並ぶ歴代9位タイとなる高卒1年目7本塁打を記録するなど、大物の片鱗をみせた清宮ですが、昇格した5月の空振り率は30%を超えており、1軍の投手に戸惑っている様子が伺えました。徐々に空振りは減ってきましたが、シーズン通じての空振り率は19%。ボール球に手を出す割合も32%と、まだまだ改善の余地はあるようです。
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