2017年のオフシーズン、北海道日本ハムは激動の中にあった。投打で圧倒的な存在感を示していた大谷選手(現エンゼルス)を筆頭に、守護神の増井投手(現オリックス)、リリーフのマーティン投手(現レンジャーズ)、主力捕手の大野選手(現中日)と、複数の主力がチームを離れたことで大幅な改革を余儀なくされたのだ。
当然、今シーズンの北海道日本ハムをBクラスに予想する声は多かった。しかし、その前評判を跳ね返すかのように、選手たちは春から躍動する。今季スタートダッシュを決めた埼玉西武からも大きく離されることなく、長きにわたってAクラスをキープし続けた。
下馬評を覆し、優勝も見えたシーズン しかし…
上沢投手が7月末までに10勝を挙げるブレイクを果たし、エース候補に名乗りを上げる。新加入のマルティネス投手はシーズンを通じてローテーションを守り続け、6月中旬までに7勝を記録。同じく新助っ人のトンキン投手も8月17日の時点で防御率1点台と安定した投球を続け、中継ぎ・抑えとしてチームを支えた。
野手陣では、4番の中田選手がチーム最多26回の殊勲安打を放つなど、昨季の不振から脱却した姿を見せ付け、FA権を行使して古巣復帰した鶴岡選手がチーム最多の89試合でマスクをかぶった。3度目の盗塁王に輝いた西川選手や、リーグ3位となる打率.323、同2位の出塁率.427を記録した近藤選手もそれぞれの持ち味を発揮し、大田選手も2カ月近くの離脱がありながら「恐怖の2番打者」として14本塁打、出塁率.350。高い出塁率と足、長打力を備える生産性の高い上位打線は、対戦相手の脅...