強打のチームに犠打は必要なし!? 2018年セ・パ犠打ランキング
2018年11月13日 07:30
Full-Count 広尾晃
今季30犠打を記録した広島・菊池涼介※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
埼玉西武は2017年に93犠打をマークしたが今季はわずか48犠打
犠打は野球の戦術の中でも特別な能力を必要とされる。また、指揮官の方針やそのチームの戦力構成によっても大きく左右される。2018年NPBの犠打のデータを見てみよう。 一般的に犠打は、長打力と反比例の関係にある。長打、特に本塁打が増えると、犠打は減少する。ここ3年のNPB12球団の犠打と本塁打の総数の推移。2016年 犠打1367 本塁打13412017年 犠打1328 本塁打15002018年 犠打1117 本塁打1681 ここ3年で、本塁打は25%も増加、対照的に犠打は18%減少した。本塁打数が増えると、指揮官は犠打を選択しない傾向にある。 この傾向が端的に表れたのが今年の埼玉西武だ。2017年、埼玉西武は153本塁打、93犠打を記録したが、今季は打線がパワーアップし、12球団2位の196本塁打に増加、対照的に犠打数は48に減少した。走者を送って得点機を作るよりも、長打力で試合を決めることが多くなったのだ。両リーグの犠打数10傑パ・リーグ1藤岡裕大(ロ)26犠打(143試合)2若月健矢(オ)23犠打(114試合)2甲斐拓也(ソ)23犠打(133試合)4今宮健太(ソ)22犠打(99試合)4中島卓也(日)22犠打(132試合)6大城滉二(オ)20犠打(128試合)6清水優心(日)20犠打(86試合)8上林誠知(ソ)17犠打(143試合)8藤田一也(楽)17犠打(90試合)10福田周平(オ)16犠打(113試合)10田村龍弘(ロ)16犠打(143試合)10安達了一(オ)16犠打(140試合) 千葉ロッテの新人、藤岡がリーグ最多。それ以下にはオリックス・若月、福岡ソフトバンク・甲斐、北海道日本ハム・清水、千葉ロッテ・田村と各球団の捕手が並ぶ。捕手は下位打線でつなぐ打者として機能している。しかし埼玉西武の正捕手・森は今季犠打は0、強打が売りだけに他球団とは異なる起用となっていた。犠打が多い選手は一般的に長打力がない場合が多いが、福岡ソフトバンクの上林は22本塁打17犠打。状況に応じて打撃スタイルを変えていた。広島の菊池は今季30犠打で成功率は脅威の100%を記録
セ・リーグ1菊池涼介(広)30犠打(139試合)2梅野隆太郎(神)28犠打(132試合)3京田陽太(中)26犠打(143試合)4中村悠平(ヤ)22犠打(123試合)5西浦直亨(ヤ)20犠打(138試合)6植田海(神)18犠打(104試合)7小林誠司(巨)16犠打(119試合)8菅野智之(巨)14犠打(28試合)9吉川尚輝(巨)13犠打(92試合)10田中俊太(巨)10犠打(99試合) 広島・菊池は犠打失敗なしの成功率100%、過去6年間で5回リーグ最多犠打。当代一の犠打の名手だ。阪神・梅野、東京ヤクルト・中村、巨人・小林と各球団の正捕手の名前があるのはパ・リーグと同様だが、巨人のエース菅野がリーグ8位の14犠打。菅野は16回バントを試みで、14回成功。成功率は.875と優秀だ。このほか、広島・大瀬良、東京ヤクルト・ブキャナンが9犠打。横浜DeNA・東、濱口も8犠打。セ・リーグは投手もつなぐ打者として貢献している。 地味な記録ではあるが、犠打は野球の変化を敏感に表す指標でもある。来季は犠打の数字はどのように変化するだろうか。(広尾晃 / Koh Hiroo)記事提供:Full-Count 続きを読む