余韻にひたれる長い滞空時間の本塁打
木製バットが乾いた音を響かせた瞬間、ボールは点にみえるほど高々と上がり、上空でゆるりゆらゆら距離を稼いだあと、観客席にスコーンと落ちてくる──。滞空時間の長い本塁打は、野球というスピードや効率が求められがちなスポーツにおいては珍しく“時(とき)”の余韻にひたることができるプレーだ。
プロ選手の本塁打の滞空時間は、バットにあたってからスタンドに落ちるまで4~5秒が一般的で、6秒を超えてくると飛ばすことに長けた者にしか到達できない“聖域”に入ってくる。
希少な醍醐味を提供してくれたパ・リーグの強打者は誰だったのか? 7月16日から10月13日までに記録した本塁打から滞空時間トップ5を紹介していこう。
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