福岡ソフトバンクが3点以下のリードを握って迎える9回の表。必ずと言っていいほど、ヤフオクドームに響き渡る歌がある。Newboysの「The King is Coming」。その伸びのある男声とともに、巨大なホークスビジョンに「THE KING OF CLOSER」の飾り文字が躍り、軽やかにリズムを刻む。そしてマウンドに現れる、福岡ソフトバンクの絶対的守護神。
僅差のビハインドで迎える9回表は、ビジターチームにとっては最後の攻撃のチャンスだ。打者は凄まじい集中力でもって抑え投手に食らい付く。実際にここで追い上げ、9回裏または延長戦にもつれ込むケースはさほどめずらしくない。しかし「キング・オブ・クローザー」の名が高らかにコールされたとき、3点以下の点差を詰めるということがひどく途方もないことのように感じられる。そしてそれは、決して錯覚ではない。
福岡ソフトバンクの守護神・サファテ投手が、9月5日、京セラドーム大阪のオリックス戦、1点リードの11回裏に登板し、オリックス打線を3者凡退に抑えて今季47セーブ目をマークした。これは、シーズン最多セーブの日本プロ野球記録を更新する...