福岡ソフトバンクの正捕手争いに旋風が巻き起こっている。現在、チームの捕手の中で最多の81試合に出場しているのは、両リーグトップの盗塁阻止率.379を誇る甲斐選手だ。長く続いた正捕手争いの中、すい星の如く現れたシンデレラボーイにフォーカスしてみたい。
キャリアのスタートは、今にして思えば意外なところからだった。2010年、育成ドラフト6巡目、つまりチームで最も遅く名前を呼ばれ、福岡ソフトバンクに入団した。同年のドラフト1位は高校生ナンバーワン捕手と名高い斐紹選手。育成4巡目は、現在バッテリーを組んでいる千賀投手だった。
2013年のオフに支配下登録され、背番号も「130」から「62」へ変更となる。そして2014年の春季キャンプではいきなりのA組スタート。その後もアピールを続け、開幕一軍の座をつかんだが、最終的な出場数は1試合に留まった。2015年も、鶴岡選手、細川選手(現・楽天)らによる正捕手争いに割って入ることはで...