8月の戦いを終えたプロ野球はリーグ優勝から順位争い、個人タイトルレースまでも佳境を迎えた。注目が集まるのは一軍で活躍する選手のプレーだが、ファームで牙を研ぐ選手に目を向けても、その個性は実に魅力に溢れている。
ここ数年、オリックスは主力選手の故障に悩まされ、高いポテンシャルを発揮し切れないシーズンが続く。だが、その分、多くの若手が二軍を経て一軍の舞台を経験し、巧みなドラフト戦略も相まって新陳代謝は確実に進む。
ファームを預かって3年目の田口壮監督は、基本的に「実戦をやってみてどうか」と「それに対して起きたことの検証」のサイクルを繰り返す。それでも、「今日、何かを掴むかもしれないし、一軍に突然呼ばれて活躍する可能性もある」、「二軍で駄目だから一軍でも駄目かと言えば、一概にそうとも言えない」と、選手の「成長」が生き物であることを示唆する言葉には...