ミスはどの程度出塁と得点に絡むのか? 失策を数値化してみると…

2018年9月7日 14:39 Full-Count 鳥越規央
埼玉西武ライオンズ・辻発彦監督【写真:荒川祐史】

出塁を許した失策の割合は60%前後、鷹と中日は堅守のチーム

出演させていただいているラジオ番組で、野球解説者の新谷博氏より「各チームの失策の中で、出塁に関わるものと、進塁に関わるものの割合はどの程度なのでしょうか」というご質問をいただきました。失策は打球の処理をミスして出塁を許す「失策出塁」と、悪送球などで余分な進塁を許したり、アウトにできる走者を生かしてしまう「その他の失策」に分類できます。ただ、NPBをはじめ、失策出塁のみの数値がデータとして記載されているところは稀。そこで、新谷氏の質問に答えるべく、各チームの失策を「失策出塁」と「その他の失策」に分類してみました。福岡ソフトバンク失策数45 許した出塁26(57.8%) その他19東北楽天失策数55 許した出塁32(58.5%) その他23オリックス失策数53 許した出塁 33(62.3%) その他20千葉ロッテ失策数61 許した出塁 27(44.3%) その他34北海道日本ハム失策数63 許した出塁 38(60.3%) その他25埼玉西武失策数72 許した出塁 38(52.8%) その他34◯セ・リーグ中日失策数42 許した出塁29(69.0%) その他13巨人失策数59 許した出塁30(50.8%) その他29横浜DeNA失策数62 許した出塁43(69.4%) その他19広島失策数70 許した出塁43(61.4%) その他27東京ヤクルト失策数75 許した出塁44(58.7%) その他31阪神失策数76 許した出塁48(63.2%) その他28(データは9月6日現在) どのチームもおおむね、全失策のうち出塁を許した失策の割合は60%前後です。両リーグで最も失策数が少ない福岡ソフトバンクと中日は、許した出塁が30以下ですし、グラウンド内に飛んだ打球のうちアウトにした割合を示すDERがリーグ1位でもあることから、堅守のチームであることがわかります。またロッテも許した出塁が30以下となっています。この数値の要因の一つとして考えられるのが、人工芝の貼り替え。ヤフオクドームは2017年、ZOZOマリンスタジアムとナゴヤドームは2018年から新しい人工芝に貼り替えています。特に千葉ロッテのDERは2017年 0.6902018年 0.700と改善していることがわかります。ただ、千葉ロッテの場合、その他の失策が多いため全体の失策数がリーグ4位となっており、投手のサポートができていないことも物語っています。連携プレーの技術向上がこれからの課題となるでしょう

失策の走者を得点に結びつける率の高い埼玉西武、巨人、広島

さて、このデータに関連して、番組のリスナーからご質問のメールをいただきました。「失策によって出塁したランナーをどのチームが最も多く得点にしているのでしょうか?」つまり相手のミスに最もつけこんでいるチームを知りたいとのこと。そこで失策により出塁したランナーが得点を記録している例と、失策出塁がいわゆるタイムリーエラーになった例に分けて集計してみました。◯パ・リーグ東北楽天失策出塁34 得点10 タイムリーエラー8(52.9%)埼玉西武失策出塁27 得点12 タイムリーエラー2(51.9%)千葉ロッテ失策出塁32 得点9 タイムリーエラー5(43.8%)福岡ソフトバンク失策出塁30 得点10 タイムリーエラー3(43.3%)オリックス失策出塁35 得点5 タイムリーエラー9(40.0%)北海道日本ハム失策出塁25 得点3 タイムリーエラー2(20.0%)◯セ・リーグ巨人失策出塁40 得点15 タイムリーエラー10(62.5%)東京ヤクルト失策出塁38 得点12 タイムリーエラー10(57.9%)広島失策出塁46 得点15 タイムリーエラー11(56.5%)阪神失策出塁39 得点14 タイムリーエラー7(53.8%)中日失策出塁44 得点12 タイムリーエラー10(50.0%)横浜DeNA失策出塁34 得点9 タイムリーエラー7(47.1%)リスナーの方のご質問に答えるならば、27の失策出塁のうち12のランナーを得点にした埼玉西武が「最も相手のミスにつけこんで得点にした割合が多いチーム」といえるでしょう。セ・リーグでは巨人と広島が相手のミスにつけこんで得点しているチームと言えます。逆に北海道日本ハムは失策出塁が得点に絡んだ割合が20%と、最も低い数値となっています。なお、「失策」は、公式記録員の判断によって記録されるもので、簡単な打球の処理をミスしたものだけでなく、普段の守備範囲よりも広い範囲において取り損ねたものもエラーとして記録されたりします。なので、「エラーが多い」と「守備が下手」は一概にイコールにはならないことはご承知おき願いたいところです。事実、埼玉西武のエラー数はリーグワーストですが、DERはリーグ2位。ショート源田、セカンド浅村をはじめとする守備陣の貢献は少なくないのです。記事提供:Full-Count 続きを読む