セミの声にかぶさるように、試合開始を告げる甲高いサイレンの音が鳴った。8月21日は全国高等学校野球選手権大会の決勝試合日だったが、その1時間前にはメットライフドームで「ライオンズカップ 第7回中学硬式野球選抜大会」の決勝が行われている。大会に参加したのは、甲子園で戦いを繰り広げた高校球児より一回り体格の小さな中学硬式野球チーム所属の中学生だ。屋内のドームで、試合中はベンチとスタンドから声援が響いた。
明るさが一層際立ったのは、12チーム参加のトーナメントを最後まで勝ち上がった地元・埼玉県のふじみ野リトルシニアだ。試合中は伸び伸びとプレーしながら常に声が飛ぶ。決勝戦での選手紹介時、埼玉西武の一軍の試合さながらに曲が流れると、名前を呼ばれた選手はノリよくスタンドの仲間や保護者に手を振ってグラウンドへ駆け出していった。