第100回全国高等学校野球選手権記念大会が開幕した。今年も甲子園で高校野球の頂点を巡り、激闘が繰り広げられている。夢見た舞台へ辿り着くために、球児たちはどれだけの鍛錬、挑戦、葛藤を積み重ねているのだろうか。現役プロ野球選手の高校時代を振り返る連載第4回は、類まれな野球センスを秘める平沢大河選手(現千葉ロッテ)。高校では東北県民の悲願まであと一歩届かなかったが、その実力とスター性を証明し、他では得難い経験を手に入れた。プロ入り後は壁に阻まれながらも、着実にステップを踏んで前進を続けている。灼熱の舞台で放ったまばゆい輝き。その再現が、望まれている。
プロ入りを大きく手繰り寄せた痛快な一発
確かな手ごたえを残した快音は、チームの快進撃を予感させるとともに、本人にとって将来を確信する一打になった。
「ずっとプロ野球選手を目標にしていましたけど、高校に入ってからはまず甲子園を目指す。甲子園に行ってからプロにと考えていたんですけど、あの時のホームランは『あ、これで、プロに行けるな』って確信できました」
高校時代の思い出をそう語っていたのは、千葉ロッテの平沢大河選手だ。仙台育英高校3年夏の1回戦・明豊戦、1回表の打席に立った平沢選手はインコースの難しいボールを一閃すると、バックスクリーン右へ豪快な本塁打を叩き込ん...