好調な東北楽天打線をわずか3安打、二塁踏ませぬ好投で今季3度目完封
突然の変貌に驚くしかなかった。福岡ソフトバンクの武田翔太投手のことである。29日、本拠地ヤフオクドームで行われた東北楽天戦。ウイルス性胃腸炎で先発を回避した中田賢一に代わって、代役で上がった先発マウンドで散発3安打の完封勝利をあげた。先発を伝えられたのは前日のこと。当初はウエスタン・リーグ中日戦(タマスタ筑後)で先発する予定が急遽、その日の午前中に回避となり、翌日に1軍で先発することになった。
スクランブルでの先発、さらには不振による登録抹消直後だった。降格時に首脳陣からも“無期限ファーム調整”を言い渡されていたことは伝えられており、正直、大きな期待を抱いていた人は少なかったはず……。それは、「投げる投手がいない」として武田を指名した工藤公康監督とて同じだったろう。試合後の「想像以上です」というコメントが、それを物語っている。ただ蓋を開けてみれば、3安打の完封。好調の楽天打線に二塁すら踏ませぬ圧巻の投球だったから、驚くしかない。
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