キャプテンが、長いトンネルを抜け出す一撃を放った。楽天・嶋選手が延長12回2死1,2塁から、左翼へサヨナラタイムリーを放ってオリックスを下した。3ボール1ストライクから思い切りよく振りぬくと、左翼手の頭上を越えた。負ければ最下位に転落していた一戦。泥沼の6連敗だったチームを救った。お立ち台では笑顔は控えめ。「その前に6連敗してるので、まだ借金しています。明日も勝って、借金を返済したいと思います」と言葉に力を込めた。
苦しい展開を幾度となく救った。糸井選手の2ランなどで3点を追う状況。だがこの日は5回に聖澤選手、銀次選手が適時打を放って1点差とすると、6回、嶋選手が左中間へ今季第1号となる本塁打で同点とした。本塁打の直後は「とにかく勝ちたい。それだけです」と主将としての責任感を口にした。その後、同点のまま延長戦に突入。金刃投手、青山投手、横山投手、松井裕投手、福山投手、濱矢投手と投手陣の無失点リレーを引っ張り、4時間37分の熱戦を制した。
本塁打、そしてサヨナラ安打はともに左翼方向。これまでは右打ちが代名詞の男だったが、今季から左方向への長打を増やすことを目指している。5試合無安打と湿りがちだったバットだが、この日の2長打で復調を...