胴上げ投手は、あの元NPB左腕
11月9日、台湾中部、台中市の台中インターコンチネンタル球場で行われた台湾シリーズ第4戦は、ここまで3連勝で台湾王者に王手をかけた後期優勝の中信兄弟が、前期優勝の楽天モンキーズを3対2と1点リードしたまま9回表へ突入した。3対1の8回表、無死1、2塁の場面で登板、四球を出し満塁としたものの、このピンチを1失点で切り抜けたクローザー呂彥青は続投、すると簡単に2アウトをとり、この回3人目の打者、朱育賢も2球で追い込んだ。
「呂~彥~青~、三~振~他~」。週の中日(なかび)にも関わらず、球場の大部分をチームカラーの黄色に染めた中信兄弟ファンが、応援団のリードのもと、「再見三振(サヨナラ三振、三振でのゲームセットの意)」を期待し絶叫する。1ボール2ストライクから、3球ファールで粘った朱育賢だったが、7球目、内角高め147キロの速球にバットは空を切った。
この瞬間、中信兄弟の台湾シリーズ制覇、V2が決定。地鳴りのような大歓声と共に、黄色の紙テープが舞い、中信兄弟の選手たちはマウンド上で歓喜にひたる呂を取り囲み、小躍りしながら喜びを爆発させた。中信兄弟の台湾一は前身の兄弟エレファンツ時代を含め9度...