佐々木朗希が驚異の数値、楽天・西川は長打力も発揮 セイバー指標で選ぶパ月間MVP

2022年5月9日 21:27 Full-Count
千葉ロッテ・佐々木朗希※写真提供:Full-Count(写真:福谷佑介)

楽天が“先手必勝”で首位躍進、千葉ロッテは投手奮闘も打線が不振

 スタートダッシュに成功した選手をデータで探り出し、3、4月の月間MVPをセイバーメトリクスの指標で選出してみる。選出基準は打者の場合、得点圏打率や猛打賞回数なども加味されるが、基本はNPB公式記録を用いる。ただ、打点や勝利数といった公式記録は、セイバーメトリクスでは個人の能力を如実に反映する指標と扱わない。そのため、セイバーメトリクス的にどれだけ個人の選手がチームに貢献したかを示す指標で選ぶと、公式に発表されるMVPとは異なる選手が選ばれることもある。 まずは3、4月のパ・リーグ6球団の月間成績を振り返る。楽天:16勝6敗1分打率.238、OPS.688、本塁打19先発防御率2.65、QS率73.9%、救援防御率2.80福岡ソフトバンク:15勝11敗1分打率.254、OPS.693、本塁打17先発防御率3.21、QS率48.1%、救援防御率2.60オリックス:15勝14敗打率.206、OPS.568、本塁打10先発防御率2.89、QS率53.3%、救援防御率2.50埼玉西武:13勝15敗1分打率.219、OPS.615、本塁打18先発防御率2.98、QS率48.3%、救援防御率2.08千葉ロッテ:11勝14敗1分打率.212、OPS.565、本塁打9先発防御率1.91、QS率80.8%、救援防御率3.04北海道日本ハム:9勝19敗打率.233、OPS.646、本塁打25先発防御率4.30、QS率35.7%、救援防御率3.94 投打がしっかり噛み合い、スタートダッシュに成功した楽天は10の貯金を作った。試合を有利に運べる秘訣は初回の得点と失点だろう。初回得点確率39.1%、初回失点確率8.7%はどちらも12球団で最も良い成績である。そして先制すれば100%の確率で勝利している。 3、4月におけるパ・リーグ全体の打率が.227で「投高打低」が話題になったが、その要因を作ったのが千葉ロッテの先発投手陣だろう。172イニングで防御率1.47、WHIP0.87、QS率80.8%は1か月としても近年稀に見る好成績だ。ただ、援護率2.69と打線の援護に乏しく苦戦が続いた。 北海道日本ハムは月間25本塁打と下馬評を覆す長打力を見せているが、先発、救援ともにリーグワーストの防御率となっており、こちらも苦戦を強いられた。 そんなパ・リーグの月間MVPは5月13日に発表される予定だが、ここでは、セイバーメトリクスの指標による3、4月の月間MVP選出を試みる。

佐々木朗希はあらゆる指標で出色の数値、山本由伸も昨年に匹敵する成績

【投手部門】 投手評価には、平均的な投手に比べてどれだけ失点を防いだかを示す「RSAA」を用いる。ここでのRSAAは「tRA」ベースで算出。tRAとは、被本塁打、与四死球、奪三振に加え、投手が打たれたゴロ、ライナー、内野フライ、外野フライの本数も集計しており、チームの守備能力と切り離した投手個人の失点率を推定する指標となっている。RSAA=(リーグ平均tRA-選手個人のtRA)×投球回数/9tRA={(0.297×四球+0.327×死球-0.108×奪三振+1.401×被本塁打+0.036×ゴロ-0.124×内野フライ+0.132×外野フライ+0.289×ライナー)/(奪三振+0.745×ゴロ+0.304×ライナー+0.994×内野フライ+0.675×外野フライ)×27}+定数各チームのRSAA上位2人は以下の通り。楽天:松井裕樹4.18、田中将大3.52福岡ソフトバンク:千賀滉大4.42、又吉克樹3.93オリックス:山本由伸8.19、ビドル2.39埼玉西武:平良海馬4.25、松本航2.95千葉ロッテ:佐々木朗希13.45、石川歩6.12北海道日本ハム:加藤貴之6.96、伊藤大海2.74 NPB公式でも最有力候補、セイバーメトリクス目線でも断トツの評価となったのはやはり佐々木朗希。4月10日のオリックス戦で完全試合、翌登板17日の北海道日本ハム戦でも8イニング完全を達成するなど抜群の投球を披露した。完全試合を達成した10日は、3ボールになったのが7回の後藤駿太の打席1回のみ。制球が安定していた。 千葉ロッテの先発投手陣は佐々木朗のほか、石川、エンニー・ロメロが防御率0点台を記録するほどの安定感だった。○佐々木朗希登板5、36回、防御率1.50、QS率80%、被本塁打0奪三振率15.0、K/BB12.0、被打率.112、被OPS.325、WHIP0.50○石川歩登板6、41回1/3、防御率0.87、QS率83%、被本塁打0奪三振率4.35、K/BB10.0、被打率.230、被OPS.504、WHIP0.87○ロメロ登板4、26回1/3、防御率0.34、QS率100%、被本塁打0奪三振率3.76、K/BB2.2、被打率.151、被OPS.361、WHIP0.34 佐々木朗は月間で60奪三振を記録。これは鈴木啓示(近鉄)が1971年に記録した月間61奪三振に次ぐ記録。打席数に対する奪三振の割合を示すK%は48.4%で、これは救援投手の松井裕樹(楽天)やモイネロ(福岡ソフトバンク)、平良海馬(埼玉西武)以上の奪三振率である。四球率も4%で、3.5を越えれば優秀とされるK/BBが12.0と驚異の数値となっている。 昨年、4回連続でNPBの月間MVPを獲得しているオリックス・山本由伸投手も、この3、4月はそれに匹敵する数値を残した。○山本由伸登板5、37回、防御率1.22、QS率100%、被本塁打1奪三振率10.46、K/BB4.78、被打率.216、被OPS.545、WHIP1.03 3、4月に関しては佐々木朗希が他の投手を圧倒する内容の投球だったということで、セイバーメトリクス目線で選ぶ3、4月の月間MVPに推挙する。
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