東京五輪金メダルに導いた手書きの“マル秘ノート” 鷹・甲斐拓也が明かす中身と工夫

2022.3.29(火) 16:15 Full-Count 福谷佑介
日本代表の正捕手として東京五輪で金メダルを獲得した福岡ソフトバンク・甲斐拓也※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

国際舞台を戦う上で最も難解なことが「相手の名前と顔、背番号を一致させる」

 昨夏の東京五輪で悲願の金メダルを獲得した野球日本代表「侍ジャパン」。稲葉篤紀監督(現北海道日本ハムGM)のもとで日本中に興奮と感動を与えた侍ジャパンの中で、扇の要としてチームを引っ張ったのが福岡ソフトバンクの甲斐拓也捕手だ。ブルペンに電話する「もしもし甲斐です」や、アメリカ戦でのサヨナラ打などは記憶にも新しいが、甲斐がベンチでノートに目を通す姿を覚えている人もいるのではないだろうか。
 侍ジャパンの金メダル獲得に、この甲斐がイニング毎に目を通していたノートは大きな役割を果たした。ノートの中身は甲斐本人が全て手書きで書き記したもの。相手打者の名前、背番号、打者としてのタイプ、そしてコース毎の得意、不得意を表したホットゾーンなどなど。1ページにビッシリと相手選手の特徴が書き記してあった。
 東京五輪を迎えるにあたって、甲斐は「めちゃくちゃ準備に時間はかけました」という。まず、侍ジャパンが集合する前の段階で、福岡ソフトバンクのチームスコアラーにお願いし、侍ジャパンの投手陣のデータを出してもらった。チームの中には対戦経験の少ないセ・リーグの投手も数多くいる。どんな投手で、どんなボールを操るのか。「データを見て、実際に受けてみて、やっぱりこうだなっていうのが分かりやすい」。まずは仲間となる投手たちの特徴を頭に叩き込んで合...

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