新シーズン開幕から早くも2カ月近くが経過した。昨季は夏場までリーグ首位に立ち、ペナントレースを大いに盛り上げた楽天イーグルスだが、今季は序盤戦を終えて最下位と苦戦が続く。主将を務める嶋基宏選手は今、何を思い、感じながらグラウンドに立っているのだろうか。まずは、扇の要としての心構えと、あるべき立ち振る舞いについて語ってもらった。
若手からの刺激も自身の糧に
2月の楽天イーグルスの沖縄・久米島キャンプ。ファームが使用する仲里野球場のお昼どき。ランチ特打に取り組む嶋選手の姿があった。
かつて痛めた右ふくらはぎの状態を考慮し、二軍キャンプでシーズンのスタートを切っていたためだ。ルーキーイヤーから一軍キャンプに参加していた嶋選手にとって、これはプロ入り初めてのことだった。
仲里野球場は、一軍が使う久米島野球場に比べるとファンも報道陣も少ない。落ち着いた雰囲気の中で嶋選手は一球一球じっくりとバットを振り、静かな球場に快音が響く。打ち終えると、外野で打球を処理していたスタッフからも見えるよう、高く掲げた両手を振って、「ありがとうございました!」と大きな声で礼を述べた。“イメージ通り”のナイスガイぶりで、見学に訪れた地元ファン...