甲子園のヒーローがついに覚醒。東北楽天・安樂智大が開拓した新たなスタイルとは?

2021.10.27(水) 07:00 パ・リーグ インサイト 望月遼太
東北楽天ゴールデンイーグルス・安樂智大投手(C)パーソル パ・リーグTV

度重なる故障を乗り越え、プロの舞台でついに花開きつつある

 かつての甲子園のヒーローが、プロの舞台でついに本領を発揮しつつある。東北楽天の安樂智大投手が開幕から安定した投球を見せ、セットアッパーの座に定着。最速で150km/h台後半に達する快速球が武器だった高校時代とは異なり、140km/h台後半の速球に複数の変化球を交えながら、投球術を生かして三振を奪うという新境地を開拓している。
 安樂投手は済美高校時代の2013年に行われた春のセンバツで、2年生ながらエースとしてチームを準優勝に導いて日本中の注目を集めた。しかし、1大会で772球を投げ抜いたこの大会での球数は、その後に安樂投手が故障を負ったことも含め、大きな賛否を呼んでいた。
 しかし、安樂投手はそうした苦境を乗り越え、新たなスタイルの投球によってブレイクアウトを果たしつつある。今回は、そんな安樂投手の波乱万丈の球歴に加え、プロ入り後の各種指標や、期間別の結果球の球種割合といった数字をもとに、覚醒を果たしつつある安樂投手についてより深く掘り下げていきたい。(成績は10月21日試合終了後時点)

2016年には高卒2年目で先発の一角に定着しかけたが……

 はじめに、安樂投手がこれまでに残してきた年度別成績を見ていこう。

続きを読む

関連選手記事/PLAYER

関連チーム記事/TEAM