富山にある一件の中華料理店で一人の青年がアルバイトをしていた。メインの仕事は皿洗い。時々、餃子作りを手伝った。千葉ロッテマリーンズ石川歩投手の高校3年冬。大学に入る前の数カ月間、アルバイトをしていた。
「友達が働いていて、誘われました。だから、お小遣い稼ぎにとなんとなく、働いていた。今となっては楽しい想い出ですね。」
明確な未来予想図を思い描く事が出来なかった時期だった。高校3年夏の富山大会は3回戦敗退。5回を投げて降板。石川の高校野球は終わった。ぼんやりと日々を過ごしていた時、野球部の部長から大学のセレクションを受けることをすすめられる。愛知県にある中部大学。自信がなく躊躇したが「練習に参加をして、目に留まればスポーツ推薦で入学し、野球を続けられる。ダメでもいいじゃないか。受けてみる価値はある」と説得された。難しいと思いながらも、言われるがままにとりあえずグラウンドに...