言うまでもなく、野球は得点の数を競うスポーツだ。安打の数で相手を上回っても負けることはあるが、得点が上なら負けることはない。春季キャンプを前にして、各球団の監督が様々な公約を掲げているが、その最終的な目的はつまるところ、いかに得点を増やし、失点を減らすかということになる。
得失点差の高いチームは、リーグ順位でも上位につけることが多い。ただし、気をつけたいのは、あくまでその確率が「高い」ことであって、「絶対」ではないことだ。
実際、昨季は得失点差がリーグ2位(+152)だった北海道日本ハムが優勝し、リーグ1位(+158)の福岡ソフトバンクが後塵を拝している。それでも、得失点差で高い数値を記録できるチームが、栄光に近付くことに変わりはない。極端な話をすると、負け試合ではどれだけ点差をつけられても、僅差の試合をすべて勝てば、理屈上は得失点差がマイナスでも優勝は可能だ。だが、長いプロ野球史にあって、マイナスの得失点差でリーグ制覇を果たしたチームは...