マイアミ・マーリンズのイチロー選手、元巨人の松井秀喜氏の活躍以来、日本球界には左打者が増えたと言われている。今季のパ・リーグで、首位打者・最多安打の二冠に輝いた千葉ロッテの角中選手や、度重なる怪我に悩まされながらも最高出塁率のタイトルを獲得した、福岡ソフトバンクの柳田選手も左打者である。
そもそも打席の左右は、利き腕や指導者の方針などによって決まることが多いが、スーパースターへの憧れだけではない利点を追い求めて、打席を選ぶというケースもある。
まず、左打席を選択するメリットとしては、右打席よりも一塁への距離が近く、内野安打を狙いやすいという点が挙げられる。イチロー選手や、北海道日本ハムの西川選手などの俊足の選手は、その利点を最大限に生かしている。ただし、右利きの左打者の場合は、スイングの際に利き手とは逆の手でバットを押し込むため、打球の飛距離を伸ばすという意味では、右利きの右打者に比べて不利になることがある。事実、両リーグの通算本塁打ランキングを見てみると、上位20位までに名を連ねている右投左打の選手は、10位の金本知憲氏(現・阪神監督) 1人...