4月30日の夜。部屋は熱気で充満していた。ロッテ浦和寮の寮長の部屋には次から次へと人が集まっていた。翌5月1日は池田重喜 寮長兼打撃投手の70歳の誕生日。お祝いにと寮生たちが次々とドアをノックした。故郷の地酒をプレゼントする選手もいれば、誕生日ケーキを持ち込んだ選手もいた。みんなで、古希を迎える寮長の前祝いを行った。
「こうやってみんなに祝ってもらえて、ありがたいなあ、嬉しいなあ」
お酒の強い男が珍しく酔っ払っているようだった。感謝の言葉を述べ、寮生たちに、これまで何度も披露している自身の昔話を...