元千葉ロッテ・陳冠宇(チェン・グァンユウ)、CPBLドラフトに備え台湾社会人チームと契約。3月末にもリーグ戦登板へ

2021.2.25(木) 19:00 駒田英(パ・リーグ インサイト)
元千葉ロッテ・陳冠宇(チェン・グァンユウ)投手 写真提供:中華職業棒球大連盟(CPBL)

安永鮮物と6ヶ月契約、先発として調整し、リーグ戦に登板へ

 1月14日、陳冠宇(チェン・グアンユウ)が、台湾社会人チームの強豪、安永鮮物に、6月末まで半年間の契約で入団に合意した。昨年12月、家庭の事情により千葉ロッテマリーンズを退団、台湾プロ野球(CPBL)入りを表明していた陳冠宇が、CPBLのドラフト会議までの期間、どのチームでプレーをするかについては高い関心が寄せられていた。陳冠宇の選択は、昨年の郭俊麟(元埼玉西武)のように、CPBLチームの春季キャンプに合流後、練習生契約を経て二軍でプレーする、というかたちではなく、アマチュアの強豪チームに入団、自分のペースで先発としての調整を行い、リーグ戦に登板しながらドラフトに備える、という形だった。
 安永鮮物は、半導体材料販売などを手掛ける崇越科技(TOPCO)のグループ企業で、安心、安全のこだわり食材を扱うスーパーマーケットのブランド名だ。崇越科技の野球チームは2011年に発足、2019年にチーム名を現在の「安永鮮物」に改めた。発足当初、プロ参入への意欲を示していた時期もあり、合作金庫、台湾電力といった古豪と肩を並べる台湾社会人チームの強豪チームといえる。チームには、現役復帰後に内野手へ転向、30代半ばとなった現在もアマ球界を代表する打者として活躍する元巨人の姜建銘、BCリーグの富山、福島などでプレーした右腕、高塩将樹らがおり、近年も、2019年に春のリーグ(全国成棒甲組春季聯賽)で、昨年は秋のカップ戦(協会盃)で優勝している。
 1月27日に行われた入団記者会見で、背番号「17」のユニフォームに袖を通した陳冠宇は、安永鮮物へ入団を決めた主な理由として、自分のペースで調整ができることに加え、崇越グループが新設したトレーニング施設の充実ぶりを挙げた。崇越グループが「台湾版フィッシャー・インスティチュート」を目指し、北部・新北市の台北大学内に開設したトレーニングセンターは、本格的なウエイトルームや200坪の室内練習場といった設備のほか、鳥取のトレーニング研究施設「ワールドウィング」の初動負荷トレーニングマシンも導入、器材導入に当たっては、スタッフがわざわざ来台し、隔離期間を経て組み立てを行ったという。
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