今季、楽天のエース・則本投手の成績は11勝11敗、防御率2.91。プロ4年間で積み重ねた勝利数はこれで50となり、同じ年にプロ入りした北海道日本ハムの大谷選手や、福岡ソフトバンクの東浜投手などパ・リーグの同期の選手の中では、最速で通算50勝をマークしたことになる。
そんな則本投手の魅力は、何といっても長いイニングが安定して計算できる完投能力や、ずば抜けた奪三振能力だろう。強打者を相手に三振の山を築いていくことは、野球の醍醐味の一つでもある。プロ2年目の2014年には204奪三振で最多奪三振のタイトルを獲得しており、今季も両リーグトップとなる216奪三振。入団以降4年連続の2桁勝利とともに、3年連続の200奪三振をも達成してみせた。ここではこの「200奪三振」という数字にフォーカスを当てて、その価値を再確認してみたい。
2リーグ制が敷かれた1950年以降、1シーズンで200奪三振以上を達成した投手に限定してみると、往年の名投手がずらりと並ぶ。そのうちのシーズン最多奪三振記録は、1968年に阪神の江夏氏が奪った401個であり、200奪三振以上を最も多く記録したのは国鉄の金田氏で、14年連続14回。どちらも、現在では考えられないような驚異...