元プロスペクトが日本で花開くか。スパンジェンバーグの球歴と、助っ人離れした長所とは

2020.10.20(火) 13:00 パ・リーグ インサイト 望月遼太
《THE FEATURE PLAYER》『恐怖の1番』Lスパンジェンバーグ(C)パーソル パ・リーグTV

「プロスペクト」として期待され、MLBでの台頭も早かった

 2020年から埼玉西武の一員としてプレーしている、現在29歳のコーリー・スパンジェンバーグ選手。今シーズンから日本球界に活躍の場を移した同選手だが、かつてはパドレスにドラフト1位で指名された経歴を持ち、将来を期待される若手選手、いわゆる「プロスペクト」と呼称される選手のうちの一人でもあった。
 23歳でメジャーデビューを果たし、24歳で迎えたシーズンではMLBの舞台で3桁の試合に出場するなど、期待通りに早い段階で台頭を見せていたスパンジェンバーグ選手。内外野の複数ポジションを守れるユーティリティ性や、2017年に2桁盗塁を記録した俊足といった魅力も持ち合わせていたが、三振の多さも含めて確実性や選球眼に課題を残し、2018年オフにパドレスから放出されるかたちとなってしまった。
 埼玉西武に加入した今季も、7月までは打率.250に対して出塁率が.271と、序盤戦においては選球眼に大きな課題を残していた。だが、8月に入ってからは徐々に四球を選ぶ回数が増えていき、それに伴い打率も上昇。8月は月間打率.330、OPS.925、9月も月間打率.284、OPS.951と日本球界の水に慣れてきた気配。

内外野の6ポジションを守れることに加えて、MLBでは意外な経歴も

 また、95試合の出場で8盗塁を記録している俊足や、状況に応じて外野の両翼と三塁をこなすユーティリティ性といった、米球界在籍時代からスパンジェンバーグ選手の長所とされていた要素は、日本球界においても確実に発揮されている。金子侑司選手や中村剛也選手といった主力選手の故障離脱を経験している今季のチームにとっても、スパンジェンバーグ選手の汎用性の高さは大きな助けと...

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