鷹・柳田悠岐は“無双状態”、貢献光る23歳左腕の“オープナー”…セイバー指標で見る8月のMVPは?
2020年9月3日 07:35
Full-Count
福岡ソフトバンク・柳田悠岐※写真提供:Full-Count(写真:藤浦一都)
福岡ソフトバンクと千葉ロッテが16勝8敗と貯金を増やした8月
新型コロナウイルスの影響で約3か月遅れて開幕したプロ野球。8月を終えて各球団がほぼ60試合超を消化し、シーズンの折り返し地点を迎えたことになります。そこで、ここではセイバーメトリクスの視点から8月のMVPを選出してみましょう。 まず、8月のパ・リーグ各球団の月間成績は以下の通りだ。1 福岡ソフトバンク 16勝8敗 打率.235 OPS.726 本塁打34 援護率4.66先発防御率2.61 QS率36.0% 救援防御率2.922 千葉ロッテ 16勝8敗 打率.251 OPS.752 本塁打25 援護率5.02先発防御率4.34 QS率46.2% 救援防御率3.793 北海道日本ハム 13勝11敗 打率.277 OPS.751 本塁打21 援護率5.20先発防御率4.04 QS率40.0% 救援防御率4.534 楽天 12勝12敗 打率.269 OPS.763 本塁打23 援護率4.65先発防御率3.74 QS率46.2% 救援防御率5.045 埼玉西武 9勝15敗 打率.255 OPS.728 本塁打27 援護率3.78先発防御率5.06 QS率32.0% 救援防御率3.816 オリックス 6勝18敗 打率.236 OPS.647 本塁打11 援護率2.44先発防御率4.78 QS率36.0% 救援防御率3.87 7月のパ・リーグが混戦だったため、8月の成績が福岡ソフトバンク、千葉ロッテの上位グループ、楽天、北海道日本ハムの中位グループ、埼玉西武、オリックスの下位グループそのものを形成する形となりました。 福岡ソフトバンクは先発、救援ともに防御率2点台と投手陣が活躍、千葉ロッテはOPS.752、援護率5.02と打線が牽引するという、両チームのコントラストが際立ちました。なお、8月の両チームの直接対決は千葉ロッテの3勝2敗1分でした。 1位の福岡ソフトバンクと6位のオリックスはチーム打率だけ見ればほぼ互角に思えますが、OPS、本塁打数に大きな開きがあり、長打力の差が歴然と得点力に反映されています。両チームには柳田悠岐、吉田正尚という日本を代表する主軸バッターがいるのですが、福岡ソフトバンクは中村晃、グラシアルがその前後を固める打線を組んでいます。 オリックスは吉田正の前後を打つ打者の不調が響き、吉田の打撃を活かせていない状況です。8月20日の試合を最後に西村徳文監督が辞任し、中島聡2軍監督が監督代行として指揮を取ることになりました。就任してから杉本裕太郎、松井佑介、西野真弘などを昇格させ、新たな打線を組んでいますが、後半戦、その効果は表れるのでしょうか。福岡ソフトバンクの柳田はOPS、本塁打、長打率でパ・リーグ月間1位
そんなパ・リーグの月間MVPは9月9日に発表される予定ですが、ここでは、セイバーメトリクスの指標による8月の月間MVPを選出を試みます。・8月月間MVP パ・リーグ打者部門 打者評価として、平均的な打者が同じ打席数に立ったと仮定した場合よりもどれだけその選手が得点を増やしたかを示すwRAAを用います。 各チームのwRAA上位3名は以下の通りです。埼玉西武 スパンジェンバーグ6.75 メヒア6.63 外崎修汰4.07福岡ソフトバンク 柳田悠岐12.27 グラシアル4.16 栗原陵矢3.70楽天 鈴木大地9.88 ロメロ6.95 浅村栄斗6.91千葉ロッテ マーティン10.21 井上晴哉7.44 中村奨吾7.42北海道日本ハム 中田翔7.93 近藤健介7.67 渡邉諒7.27オリックス 吉田正尚12.06 ジョーンズ5.00 福田周平0.65 おとなしくなっている埼玉西武打線ですが、8月はスパンジェンバーグ、メヒアといった外国人打者がその打線を牽引しています。鈴木大地は月間41安打という楽天の球団記録を塗り替える活躍で、チーム1位の貢献度を記録しました。千葉ロッテ貢献度1位のマーティンは、落合博満以来の月間10本塁打を放ちました。 北海道日本ハムは月間得点127、援護率5.20とリーグ1位の打撃成績を残していますが、大田泰示の7.23も含めwRAAチーム上位4人すべて7点台という安定した打線が組めているのが強みと言えるでしょう。公式の月間MVPでは、月間打率.430、出塁率.510の吉田正尚、月間打点31の中田翔が有力候補となりそうですが、セイバーメトリクスの指標によるMVP打者部門は柳田を選出します。柳田悠岐(福岡ソフトバンク)wRAA 12.27打率.315(リーグ9位)OPS1.119(リーグ1位)本塁打10(リーグ1位)出塁率.423(リーグ6位)長打率.696(リーグ1位) とにかく、ストライクゾーンにきた球の80%以上をスイングし、ボール球には手を出さないという見極めが素晴らしく、ボールを遠くへ飛ばす技術も天下一品と、無双状態となっています。 続きを読む