2019年は、多くの球団の主力に故障者が発生する苦難のシーズンだった
長いシーズンにおいて、どの球団にとっても故障者はつきものと言わざるを得ない面はある。とはいえ、仮に主力選手が長期間不在となるようなことがあれば、チームの首脳陣がシーズン前に描いていた青写真にも狂いが生じるもの。とりわけ、2019年のパ・リーグは、多くの球団が主力選手の中から長期離脱者を出すという苦難のシーズンとなった。
もちろん、故障の影響で不本意なシーズンを送った選手たちが新シーズンに年間を通してフル稼働することができれば、チームにとっても昨季からの大きな上積みとなることだろう。今回は、パ・リーグの6球団それぞれにおいて、2019年に負傷で長期の離脱を余儀なくされた選手たちの顔触れを紹介。各選手が新シーズンで完全復活を見せてくれることに、あらためて期待を寄せたい。
北海道日本ハム
投手では、昨季の開幕投手を務めた上沢直之投手と、2018年に10勝を記録したニック・マルティネス投手の2名に注目だ。両者ともに2018年にはローテーションの中心的存在としてチームを支えたが、マルティネス投手は開幕前に、上沢投手は6月中旬に、それぞれその後のシーズンを棒に振る故障を負ってしまった。今季、開幕が遅れたことも功を奏したか、両者ともにブルペンで元気な姿を見せている。先発の駒不足は終盤戦でのチームの失速の要因の一つともなっただけに、両者の復帰はチームにとっても大きな意味を持つだろう。
野手においては手術の影響で開幕から約1カ月欠場した清水優心選手や、7月から8月の1カ月間における故障離脱を境に成績を落としてしまった王柏融選手、オープン戦で骨折した影響でシーズン初出場が5月24日までずれ込んだ清宮幸太郎選手、7月に手術を受けてシーズンを棒に振った松本剛選手といった面々が故障の影響を受けていた。いずれも今季は自身にとっても重要な1年となってくるだけに、ケガなくシーズンを完走してほしい。
楽天イーグルス
ともに2018年に投手タイトルを受賞していた則本昂大投手と岸孝之投手の両右腕が、2019年は故障による長期離脱を余儀なくされる事態に。チームは投手陣の大黒柱である2名を欠いた時期も奮闘して見事にAクラス入りを果たしたが、実力と経験を兼ね備えた両投手がシーズンを通してフル稼働できれば、さらなる上位進出に向けても追い風となる。現在は両名ともに復帰。岸は練習試合で好投し、則本投手は開幕戦を託され、首脳陣からの変わらぬ信頼を得ている。イニングを消化する能力の高い両雄の復帰は、他の投手の負担を減らすという面でも大...
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