本塁打王の「長打率」は優秀? 3つのランキングからその傾向を探る

2020.4.8(水) 18:30 パ・リーグ インサイト 望月遼太
埼玉西武ライオンズ・中村剛也選手【撮影:丹羽海凪】

「長打率」という名前ながら重要なのは塁打を稼ぐ能力

 野球における指標の一つに、「長打率」というものがある。「塁打数÷打数」という計算式で求められるこの数字は、1打数あたりに稼いだ塁の平均値を示すものである。「長打」という言葉が含まれてはいるものの、計算式を見てもわかる通り、実際の性質としては長打を打つ確率というよりは、むしろ塁打の数と密接にかかわってくる数字だ。
 長打を記録せずとも単打を増やせば長打率も上昇していくため、長打率が実際の長打力を示しているわけではないという指摘もある。その一方で、打者の能力を示す指標の一つであり、得点との相関性が高い数値の一つとして知られる「OPS」を求める計算式は、「出塁率+長打率」となっている。このことからも、長打率が一定の価値を持つ指標であることは確かと言えるだろう。
 さて、長打率が必ずしも選手が持つ長打力を示しているわけではないのは先述の通りだが、各シーズンの本塁打王が記録した長打率は果たしてどのようなものになっていたのだろうか。実際に、各年にリーグトップの長打率を記録した選手たちの顔触れを見ていくと、そのあたりの傾向についても確認するこ...

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