川相昌弘氏が他を寄せ付けない533犠打、MLBを抜き世界記録に「犠打」は、バントによって走者を進塁させた数だ。「つなぐ野球」の戦術の1つとされ、特に日本野球では重要視されてきた。犠打を成功させた場合、打者に打数はつかない。スクイズも犠打のうちであり、この場合は打点がつく。 犠打もNPBの表彰項目になっている。表彰される数字は、200、250、300以降は100刻みと変則的だ。【NPBの最多犠打5傑】1川相昌弘 533犠打2平野謙 451犠打3宮本慎也 408犠打4伊東勤 305犠打5田中浩康 301犠打※現横浜DeNAいわゆるスラッガーとは異なるタイプの選手が並んでいる。「つなぐ打者」が多い。守備位置でいえば、内野手と捕手が多い。川相昌弘氏は2003年8月20日に通算513犠打を記録。エディ・コリンズ氏が持つMLB記録512犠打を更新したと報じられた。コリンズ氏が活躍した1906-1930年のMLBでは、犠打の中に現在の犠飛も含まれていたので、実質的には川相氏はそれ以前にMLB記録を抜いていたことになる。現役では横浜DeNAの田中浩康選手が歴代5位。田中選手は一昨年までヤクルトに在籍していたが、山田哲人選手の台頭とともに二塁の正位置を奪われ、2016年には東京ヤクルトを戦力外となった。昨年は横浜DeNAに移籍して1000本安打を記録するとともに、史上5人しか記録していない300犠打もマークした。目立たないが、いぶし銀として球史に名前を残したのだ。現役で節目の数字をクリアしそうな選手を見てみよう。()は昨年実績〇300犠打 6人細川亨(楽)294犠打 残6犠打(3犠打)荒木雅博(中)283犠打 残17犠打(5犠打)今宮健太(ソ)270犠打 残30犠打(52犠打)〇250犠打 19人本多雄一(ソ)238犠打 残12犠打(9犠打)大引啓次(ヤ)227犠打 残23犠打(10犠打)菊池涼介(広)220犠打 残30犠打(30犠打)藤田一也(楽)211犠打 残39犠打(25犠打)今宮健太選手は歴代3位のシーズン62犠打を2回記録〇200犠打 40人炭谷銀仁朗(西)193犠打 残7犠打(23犠打)中島卓也(日)193犠打 残7犠打(25犠打)嶋基宏(楽)187犠打 残13犠打(27犠打)渡辺直人(楽)181犠打 残19犠打(4犠打 西武)川崎宗則(ソ)180犠打 残20犠打(4犠打)田中賢介(日)176犠打 残24犠打(0犠打)鶴岡慎也(日)170犠打 残30犠打(1犠打 ソフトバンク)安達了一(オ)170犠打 残30犠打(17犠打)大和(De)161犠打 残39犠打(1犠打 阪神)石川雄洋(De)152犠打 残48犠打(6犠打)やはり捕手と内野手が多い。今宮健太選手はシーズン犠打数で歴代3位となる62犠打を2回記録、昨年も52犠打をマーク。超ハイペースで犠打を量産している。このペースでいけば、あと数年で歴代記録に迫るはずだ。犠打はチームの戦術とも密接にかかわっている。福岡ソフトバンクは昨年、12球団最多の156犠打を記録したが、最下位の横浜DeNAは84犠打だった。どのチームに所属するかで個人の犠打数は変化するのだ。そのことも考慮する必要がある。「犠飛」は、フライによって走者を本塁に返した回数だ。犠飛を記録した打者は、打数はカウントされず、打点がつく。前述のように、MLBでは1950年代まで「犠飛」は「犠打」に含まれていた。しかし、犠飛が多い打者は犠打が多い打者とは全く異なる。【NPBの犠飛5傑】1野村克也 113犠飛2加藤英司 105犠飛3王貞治 100犠飛4門田博光 95犠飛5長嶋茂雄 90犠飛5張本勲 90犠飛球史を代表する大打者が並んでいる。犠飛は、走者が三塁にいる状況で、適時打が打てなかった場合の次善のリザルトだ。得点機に打席に立つことが多く、外野に大きなフライを打ち上げる能力がある長距離打者に多い。しかし、犠飛のシーズン記録は大杉勝男氏(東映)が1970年に記録した15犠飛。それほど多い記録ではない。100犠飛以上は3人しかいない。現役の犠飛5傑を見てみよう。()は昨年実績1新井貴浩(広)77犠飛(4犠飛)2福浦和也(ロ)76犠飛(2犠飛)3阿部慎之助(巨)66犠飛(7犠飛)4内川聖一(ソ)62犠飛(2犠飛)5中島宏之(オ)60犠飛(5犠飛)犠飛は強打者の指標ではあるが、連盟表彰基準である100犠飛に届く選手は、今季は出そうにない。21世紀以降、100犠飛に手が届いた打者はいない。今後、誰が達成するだろうか注目が集まる。 続きを読む