「令和最初の日」となった、2019年5月1日。この日、台湾出身のひとりの若者が人生の新たな一歩を踏み出した。同日、オリックスは育成選手だった張奕（ちょう・やく）投手を支配下選手登録することを発表。レアケースともいえる野手から投手へのコンバートを成功させた25歳の右腕は、パ・リーグで存在感を示しつつある台湾出身選手たちに続く新星となれるか。
チャイニーズ・タイペイ代表の中心選手として活躍する陽岱鋼選手（巨人）のいとこでもある張奕投手は、その陽岱鋼選手と同じ福岡第一高校に入学し、投打にわたって活躍を見せる。その後、日本経済大学を経て、2016年の育成選手ドラフト1位でオリックスから指名を受けてNPB入りを果たす。
張奕投手がプロとしてのキャリアをスタートさせたポジションは、陽岱鋼選手と同じ外野手だった。だが、1年目の2017年は二軍で59試合に出場して打率.091。続く2018年も二軍の15試合でノーヒットと、プロの壁に直面して打撃面で力を発揮できず。支配下登録に向けて、いばらの道が...