硬式野球であるプロ野球。楽天の鶴田圭祐投手は、その中では珍しい「準硬式野球部」出身の左腕である。ご存知の通り、硬式野球で使用するのは、コルクと樹脂の芯に牛皮を巻いたボールだ。一方準硬式野球で使用するボールは、硬球とほぼ同じ芯を天然ゴムで覆っているため、ちょうど軟式ボールと硬式ボールの中間のようなものだと言える。
小学校、中学校と軟式野球でプレーした鶴田投手は、藤井学園寒川高校の硬式野球部に投手として入部。しかし制球難に苦しみ、外野手への転向を余儀なくされた。そんな鶴田投手に転機が訪れたのは、帝京大学で準硬式野球部に入部してからだった。
チーム事情で投手に再転向すると、3年春にノーヒットノーランを達成し、硬式ボールより球速が出ないと言われる準硬式ボールで149キロをマーク。一躍ドラフト候補に躍り出る。そして2016年、楽天からドラフト6位指名され、大逆転でプロの世界に...