「生涯現役」を掲げる野球人・中村紀洋氏のチャレンジは道半ば

2017.12.2(土) 00:00 パ・リーグ インサイト 藤原彬
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「未完こそ完成」の価値観にならえば、近鉄バファローズは長い歴史を誇るプロ野球が世に送り出した最高傑作かもしれない。1949年の球団設立から2004年にオリックス・ブルーウェーブと合併するまで、55のシーズンでリーグ優勝を飾ったのは4度。頂点を見ることなく球団史に幕を降ろした悲哀が、猛牛軍団に唯一無二の物語性を付与している。
1979年、1980年、1989年のペナント制覇はいずれも語り草だが、2001年のリーグ優勝はとりわけ痛快だった。3月24日に迎えた日本ハムとの開幕戦は、初回に5点を奪われながら物ともせず、最終的に10対9と逆転勝利。極めつけは9月26日のオリックス戦で、9回に北川博敏氏が放った「代打逆転サヨナラ満塁優勝決定弾」は、史上最も劇的な優勝シーンとして記憶されている。
この年、“いてまえ打線”が放った211本塁打とともに、叩き出した770得点も両リーグ最多なら、喫した745失点は同ワーストという、球団の歴史的なカラーを示す豪快。オープン戦は12球団最下位の2勝9敗で、開幕前に解説者が軒並み苦戦を予想するなか、前代未聞となる「前年最下位からのパ・リーグ優勝」を果たしてみせた。ところがこの年も、日本シリーズは4勝1敗で...

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