今季からオリックスの二軍が拠点を移した舞洲サブ球場を主戦場に、就任2年目の田口二軍監督兼打撃コーチがチームを率いている。新シーズンを前に出版された自著の中で、田口監督は一軍に上がる選手は「目」が違うと説き、試合に臨む際の「集中力」の重要性を強調した。それらの要素は、他ならぬ指揮官自身の姿に最も説得力があるものだ。
9月上旬、新しい本拠地の打撃ケージ後ろから、田口監督はグラウンドに視線を注いでいた。暑さの厳しいデーゲーム前だったが、微動だにせず、その表情は変わることがない。汗を流す選手たちを凝視する様子には、現役時代にNPBで12年、MLBで8年を戦い抜いた百戦錬磨のキャリアが滲み出ていた。そこで培ったものを、田口監督は指導者として、いかに還元しようと考えているのだろうか。日頃から身を置くファームと、自らを育んだパ・リーグの魅力とともに語ってもらった。
本拠地移転によるメリットと選手指導のメソッド
-舞洲への本拠地移転は春先から話題を集めましたが、そのことで変化はありましたか。
(田口監督)僕自身はそんなに変わってい...