質実剛健の強さで2年ぶりにパ・リーグ王座に返り咲いた福岡ソフトバンクと、クライマックスシリーズを勝ち上がった横浜DeNA。今年の日本シリーズは、前身の球団を含めて初の顔合わせとなった。勝敗の行方を左右する流れや勢いは理屈で表し切れるものではない。引き分けがなければ最大7試合4戦先勝の戦いで、チーム、個人ともにシーズン成績の示す傾向が必ずしも顔を出すとは限らないことは、過去67回の歴史が証明している。それでも、これまでの戦いの蓄積から読み取れる情報とその比較は、やはりシリーズの勝敗を占う上で欠かすことができない。
【投手力、守備力で優位の福岡ソフトバンクと、失点を防ぐための工夫が必要な横浜DeNA】
両チームの大まかな強さを把握するために、まずはシーズン中の1試合あたりの得点、失点を比較したい。福岡ソフトバンクは4.46/3.38、横浜DeNAは4.17/4.18で、リーグ1位と3位のチームの力量差が見て取れる。得点力に大差はないが、失点の数をリーグ最少の483にとどめた福岡ソフトバンクに対し、横浜DeNAは598点...