「楽しくて仕方なかった」 元日本ハム西崎幸広氏が明かす黄金期の西武との攻防

2019.1.18(金) 12:13 Full-Count 佐藤直子
インタビューに応じた西崎幸広氏※写真提供:Full-Count

3度目のチャンスで達した偉業、史上60人目のノーヒットノーラン

 昨季、10年ぶりにパ・リーグ制覇を果たした埼玉西武。クライマックスシリーズで福岡ソフトバンクに敗れ、日本一こそ逃したが、レギュラーシーズン中に見せた圧倒的な強さは、新たな黄金期の到来を予感させるものだった。1980年代から90年代、破竹の勢いで突っ走る黄金期真っ只中の西武に、ライバル球団は自慢のエースをぶつけていった。1987年のデビュー以来、3年連続15勝、5年連続2桁勝利と大活躍した元日本ハム、西崎幸広氏もその1人だ。「1番から9番まで息をつく場所がなかった」という強力打線にどう立ち向かったのか。そして、1995年7月5日、その西武を相手に達成した史上60人目のノーヒットノーランについて振り返ってもらった。
 クラウンライターライオンズから西武ライオンズに生まれ変わった1979年以降、1980~90年代の西武はとにかく強かった。20年間でリーグ優勝13度、日本一に輝くこと8度。王者として君臨する西武の牙城を崩すべく、対戦チームは先発ローテ1番手から順番に西武戦で登板させた。
「エース級は必ず西武戦で先発なんです。中4日になろうが中5日になろうが『お前は西武戦の頭だ』って。ちょっと勘弁してよって思ったこともあります(笑)。当時、西武戦でばかり先発していた先輩が、査定の時に球団に言ったことがあるんです。西武戦での1勝と下位球団相手の1勝では内容とが違うからボーナスをつけてくれって。そう抗議しているのを聞いて、横で『先輩、ガンバレ!』って言ってたく...

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