北海道日本ハムの不動のリードオフマン・西川選手が最多盗塁のタイトルを獲得した。2014年以来2度目の獲得となるが、走っては球界最速の三塁到達タイムを誇り、打ってはミスター・三塁打、守ってはファインプレーを連発と、走・攻・守の全てで存在感を発揮し、レギュラーとして奮闘した。しかし、一見華やかに見えるその軌跡を振り返るとき、ある悔しいシーズンのことを思い出さないわけにはいかない。
西川選手は智弁和歌山高校時代、度重なる怪我に苦しめながらも大舞台で光るものを見せ、2010年のドラフト2位で北海道日本ハムに指名された。守備の不安定さや三振の多さなど課題はありながらも順調に出場試合数を増やし、2014年、自身初の盗塁王を獲得する。
しかし、金子誠氏の背番号「8」を継承し、更なる飛躍を遂げることを期待された2015年。攻守に精彩を欠き、2年連続の盗塁王目前で登録を抹消される。この決断を下した栗山監督は「このままじゃ遥輝のためにならない。盗塁王を潰されるくらいの悔しさがないと大きく変わらないかもしれない」と、西川選手のポテンシャルの高さを信じ、その将来を見据えているからこその苦渋の選択だったことをのちに明...