今季リーグ最下位に沈み、苦しみ抜いた千葉ロッテ。昨季まで2年連続のAクラス入りを果たし、今年のオープン戦では圧倒的な強さで勝率1位に輝いたチームが、ここまで調子を落とすことを予想していた人はそう多くはなかったことだろう。
野球は大掛かりなスポーツだが、ワンプレーで流れが変わる繊細な側面を持ち、ほんの少し歯車が狂うだけで敗者と勝者が入れ替わる。絶対的なものが少ないドラマチックさが野球の醍醐味で、同時に残酷なところでもある。今季の千葉ロッテは、そういう野球の恐ろしさを改めて思い知った。ここではその中で、キャプテンとしてチームを鼓舞し続けた鈴木選手に焦点を当てる。
鈴木大地という名前は、誕生年の前年、ソウル五輪男子100メートル背泳ぎで金メダルに輝いた鈴木大地氏にあやかって付けられたという。桐蔭学園高校から東洋大学に進学すると、主将として持ち前のキャプテンシーを発揮しながら、チームのリーグ優勝、全国制覇に貢献した。シュアな打撃と堅実な守備を評価され、2011年、ドラフト3位で千葉ロッテ...