
◆パ・リーグ 西武4―3オリックス(24日・ベルーナドーム)
オリックスが首位を西武に明け渡し、2位で交流戦を迎えることになった。リリーフから再転向し、3年ぶりに先発した山岡泰輔投手(30)が、わずか20球、2/3回2失点で降板。試合後にファーム再調整が決まった。人気面を含め、低迷期からチームを支えてきたプロ10年目右腕。厳しい現実を長田亨記者が「見た」。
厳しく、つらく、寂しい現実だった。山岡にとって23年7月9日の西武戦(京セラD)以来、1050日ぶりの先発マウンド。たった20球で姿を消した。負傷以外では自己最短の2/3回で降板。ブルペンデーを想定していたとはいえ、あまりにも早いKOだった。
先頭のカナリオに初球を同点弾。145キロの高め直球を左中間へ運ばれた。連打で無死二、三塁とされ、ネビンに勝ち越しの中犠飛。四球で1死一、三塁となり、平沢を左飛に打ち取ったところで交代を命じられた。
出力不足から開幕を2軍で迎えた。ファーム・リーグでは8試合に登板。成績を見れば1勝5敗、防御率4・61だった。なぜ、このタイミングで起用したのか。一番は、山岡の「意地」を見たかったのだろう。
19年に13勝4敗で最高勝率。山本(現ドジャース)と両輪で、開幕投手や侍ジャパンも経験してきた。30歳は全く老け込む年齢でもなく、1軍に不可欠な戦力。昨年の西武戦は8試合で防御率0・00だった。相性や独特の雰囲気、緊張感、アドレナリン。それら全てを力にし、岸田監督は「1軍栄え」する可能性にかけたようにも思う。
結果は失敗だった。試合後には、ファーム再調整が決まった。先発として現状を打開するのか、それともリリーフで再生を図るのか。長く険しい道のりを覚悟するように「もう一回、力を出し切れるように…」と前を向いた。実力、人気両面で低迷期から支えてきた看板選手の一人。大きな分岐点を迎えたといえる。(長田 亨)