
日本ハムは西武との「2026 パーソル クライマックスシリーズ パ」(CS)第1ステージ(S)第2戦で先発の達から計4投手で完封リレー。5回、野村の左中間への適時二塁打で挙げた1点を守り切り1勝1敗のタイとし、突破に逆王手をかけた。それでも、新庄剛志監督(54)は「ミス5個。これじゃあ、強くならんね」と2失策に加え記録に残らないプレーを指摘。勝って兜(かぶと)の緒を締め、12日の第3戦に臨む。
恩師の言葉を体現する勝利で、新庄監督が3年連続のCS最終S進出への望みをつないだ。1―0勝利から9分後、漏らした言葉は「よく勝ったわ、本当に」。そう苦笑した通り、薄氷を踏みながら、1勝1敗の五分に星を戻した。
指揮官が、結果より先に強調したのは「ミス」だった。「ミス5個。これじゃあ、強くならんね」と言い「サインミスも、走塁ミスも守備も、送球も全て」と手厳しく指摘した。先制点を挙げた5回無死二塁。二塁走者の田宮は奈良間の遊ゴロの間に、三塁へ進めなかった。その裏には達が一塁へけん制悪送球。7回は、遊撃手・水野が投手・福島からの二塁送球を捕球ミス、無失点で切り抜けたものの、ともにピンチを広げた。
その他2つに関しては「みんなには分からないところのね」と、明言こそしなかったが、終始浮かないボスの表情が、胸の内を物語っていた。負ければ第1S敗退と、後のない状況を考慮しつつ「プレッシャーはかかるでしょうけど、そこを乗り越えていかないと上にはいけない」。成長への糧としてくれることを願った。
指揮官にとっては不満いっぱいの内容も、随所に好守もあり、1点を守り切った。6回の2死一、二塁のピンチでは一塁・清宮幸が右へ跳んでライナーを捕球し、7回には万波が右翼のネットに突っ込みながら、邪飛に仕留めた。現役時から守備には絶対の自信を持っていた新庄監督は「普通じゃないの?」と一蹴(いっしゅう)したが、要所を締めて手にした1勝。清宮幸は「何があってもみんなでカバーし合いながら、今日は守り切った感じ」とほほ笑んだ。
新庄監督が師事する野村克也氏は、監督時代、「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」の名言を残した。その格言をなぞるような「不思議の勝ち」。「短期決戦は向こうもプレッシャーあるだろうし、思うようなプレーもできないのもある。まあ、面白いゲームでしたよね」と締めくくった。
「面白い勝負にね」 24年、ロッテを相手にした第1Sと同様、先勝を許しながらも追いつき、ソフトバンクが待つ福岡行きの切符取りまで、あと1勝。「明日(12日)、また面白い勝負にね。また明日、盛り上がると思うよ」。セ・リーグに続く3位からの下克上へ、新庄ハムが一丸となって挑む。(砂田 秀人)