
西武が育成ドラフトで4位指名した川和・浜岡蒼太投手が8日、横浜市の新横浜プリンスホテルで入団交渉に臨み、支度金350万円、年俸280万円(金額は推定)で入団を内諾した。
浮かれてはいられない。詰め襟の学生服で交渉に臨んだ浜岡は「1月の新人合同自主トレまで日にちが少なくなって、シンプルに成長する時間が短くなっているので、きょうを終えたからというのではなく、指名前から変わらず来年の開幕、シーズンに合わせて頑張っていかないといけない」とにきびが残るあどけない顔を引き締めて、強い口調で目標を掲げた。
その言葉通り、一日一日を大切に過ごしている。現役の練習を妨げないようにキャッチボールは欠かさず続け、新人合同自主トレに耐えられるよう体作りも怠りない。「自分で課題だと思っている」というゴロ捕、バント処理といったフィールディングの練習にも取り組んでいる。
最速147キロを誇る左腕は、ライオンズの先輩サウスポーにもアドバイスを求めるつもりだ。2年目左腕の武内は共通の知人がいるとあって「武内さんはコントロールもいいですし、自分に足りないところを武器にしているので話を聞きたいなと思っています」とその時を心待ちにしている。
会見後の写真撮影ではチェンジアップの握りでボールを手にして笑顔をみせたが、数ある球種で得意にするのはカットボール。担当の阿部真宏スカウトが初めて浜岡を視察したのは春先のこと。「最初見た時にカットボール、スライダーが自信あるんだろうなという印象でした」。9月の入団テストで変化球の数値を計測したところ、プロでも平均以上の数値だったという。「非常に向上心が高くて、継続してやる力が高い選手。努力を続けてもらいたいです」と期待をかけた。
東大合格者を出す神奈川でも屈指の県立進学校の川和にあって、高校から直接のプロ入りは異例ともいえる進路だ。それでも入学時から指導する同校の平野太一監督は「出会った時からプロ野球選手になるということを言っていたので、それが単純にかなえばいいと思っていました。大学が何かに必要であればいつでも行けると本人も言っていますし、僕もそう思っています」と教え子の夢を後押しする。
近年、高校から育成で指名された西武の投手は豆田、菅井が支配下登録され、1年目の左腕・冨士も成長著しい。競争の激しさは浜岡自身もよくわかっている。「できるだけ早く支配下登録されて、西武さんの優勝だったり、勝利に貢献できればいいと思います」。ライオンズの帽子をかぶったその表情は、プロ野球選手のものだった。 (秋本 正己)
◆浜岡 蒼太(はまおか・そうた)2007年10月10日、横浜市生まれ。18歳。長津田小3年から南長津田ジュニアジャイアンツで野球を始め、田奈中では軟式野球部。川和では1年夏からベンチ入り。3年夏は5回戦で敗退した。176センチ、87キロ。左投左打。趣味は温泉。好きな言葉は「努力」。